妙見山にはブナを山火事から守るために防火帯が作られています。
ブナが育ちやすい光は森の中ではなく、大きな木が倒れてできた光の穴や、林縁であると言われています。
防火帯はまさに林縁であり、多くのブナが育つはずの環境です。しかし、防火帯のブナはほとんどが枯れていました。おそらくはシカの仕業だと思われます。
ブナは春、森の中で一番に葉を付けます。厳しい冬を過ごしてきたシカは我慢できずに目の前にある美味しそうな唯一のエサを食べてしまうのでしょう。
妙見山はブナや広葉樹が残っているとは言え、スギやヒノキを植樹した箇所も多くあります。放置されたスギやヒノキ林は昼でも真っ暗で、シカの食べ物がほとんど育たず、結果残されたわずかなブナ林にシカが殺到するのかもしれません。
現状のブナ林を守るだけでなく、少しずつ必要のなくなったスギやヒノキ林をブナ林に転換していく取り組みも必要ですね。
2014年11月25日