今月の保護活動は先月に引き続き防鹿柵内の草刈りを行いました。

小雨の降る中でしたが、観察をしながらもテキパキと作業をこなしていきます。

草に覆われていたブナですが、周辺の草を刈ると、一本だけ力強く枝が伸びていました。

日光を求めて上に伸びていったのかもしれませんね。公園の木のように単木でぽつんと生えている木は、日光がたっぷりあるので横に広がりがちですが、森の中のように暗いところでは光をもとめて上に横にと縦横無尽に伸びていきます。

スギなども私たちは整然とならんで伸びている様子を見ることが多いですが、滅多にないですがスギの天然林では思った以上に面白い形の樹形が見られるそうです。

サイズの合わなくなったり、はずれかけたリボンを付け直したりします。これで、来年背の高い草が茂ってもブナを見つけやすくなります。

機械が入らないところの草刈りは完全に手作業です。

防鹿柵内の草が刈り終わり綺麗になりました。

ブナの蕾もだいぶ大きくなっています。来年はここから立派な枝葉が一気に伸びてきます。

樹名版が外れかけていたので付け直します。地味ですが日本一(胸高直径)のウラジロノキです。

ササユリの種がそろそろ確保できるかなと、奥のササユリの防鹿柵も確認しましたが、まだ実が堅いようです。

ササユリの実

ササユリのある防鹿柵内にはリンドウの蕾がたくさんついていました。リンドウは川西市の市花で、源氏の家紋がその由来だそうです。

リンドウの蕾

最後にアカガシの横の防鹿柵内の草刈りをしたところ、草のしたに隠れていたアガガシの幼生が顔をだしました。

アカガシの横にある防鹿柵
アカガシの幼生

アカガシも、ブナほどではないですが、大阪府下では希少な木です。妙見山でもシカの食害を受けて、防鹿柵の外側ではほとんど育っていません。ブナだけでなく、妙見山の貴重な植生を少しでも次の世代に残していきたいですね。

帰り道で振り返ると、倒木したブナの側面にびっしりとツキヨダケが生えていました。ここまでたくさん生えているのは初めて見ましたが、少しずつキノコの栄養として分解されまた土に還っていくのだなと、感慨深く見守っております。

次回の活動日は11月18日(火)です。

栃本先生や神戸大学の皆さんと一緒にブナ林の毎木調査を行う予定です。午前中だけでは作業が終わらない可能性があるので、お弁当をご持参ください。

【今後の予定】

  • 保護活動日 11月18日(火):ブナの毎木調査予定、12月20日(土)
  • 時 間   10:00~12:00
  • 体験、見学など下記「detail」から申し込み願います。

2025年10月18日