5月の活動は、ブナの実生探しと今後の活動の情報共有を行いました。なんと、今回の活動には北摂里山大学卒業生の方も体験でご参加頂きました。(毎年、北摂里山大学のブナ林見学を受け入れてきましたので、卒業生のかたに参加して頂けるととてもうれしいです!)

今年はブナの中なり年?

一年前の春、私たちは例年よりも多くのブナの花が咲いたことが確認しましたが、そのなかでも特に多くの花が咲いていたエリアを狙って、昨秋シードトラップをしかけブナの実のりを確認しました。

採取した実のほぼ全てが中身の無い粃(シイナ)でしたが、約1000個採取した種のうち2個が実の入っている種があり、今年は通常より実生が多いのではないかと期待してこの春を待ちました。(その後、実の入っていた種はポットに植えましたが残念ながら未だに発芽していません)

そんななか、先月のクラブツーリズム様の来訪時に偶然実生を発見し、この日だけで11本ものブナの実生苗の保護を行いました。

ここで分かった事は、実生を探すのに大切なことは「前年の春の間に、花がたくさん咲いているブナを探すこと」がとても重要だということです。

いままで私たちは春になって初めて山中をあてもなく歩いて探して回っていました。しかし、そのやり方は効率も悪く、春の間の短い期間に山をくまなく探すことはとてもできませんし、私たちが見つけるまえに菌や虫やシカに食べられ死んでしまうことも多かったと思います。

ですが、この方法だと一年前からどのあたりに実生が育つ可能性があるか、ある程度目星を付けておくことができるので、特定の場所を重点的に探すことができかなり効率的に探すことが可能となります。

閑話休題、さて、今回の活動日に伴い、全員でシートトラップを設置した場所を中心に実生探しを行いました。

宝探し感覚で数本の実生を発見しました!

ふたばに種の殻が残った実生も発見しました

見つけた実生は、シカに食べられないように保護しました。

先月確保したものとは別に、事務局長が個別に保護したものも合わせ、これで30本もの実生の保護ができました。

能勢妙見山ブナ守の会は2013年の大成年(おおなりどし)に保護した苗を育てて森へ還す活動をしてきましたが、新しい苗の確保が課題となっていました。

今回多くの実生の保護ができ、今後に繋がる活動ができました。同時に妙見山のブナはまだまだ次世代に繋ぐ力があることがわかりました。

おそらく、いま次世代に繋がる幼木が山の中にないのはシカの食害による可能性が高いと思われ、今後も保護した実生を育て防鹿柵内の管理をしていきたいと思います。

防鹿柵が破られる

一方で今回の活動中、防鹿柵内にシカ侵入の痕跡があり食害を確認しました。冬を耐えた芽が食べられ春の芽吹きが確認できませんでいた。(食べられた芽はシカの空腹を補えるものではないのですが、、、)

すぐに防鹿柵は補修しました。食害のあったブナが復活できるか、今後も観察したいと思います。

折れたブナが生きていた

今週末に北摂里山大学の訪問があります。特別地区への歩道を点検していると、昨年秋に幹の途中で折れた倒木が生きていることが確認できました。幹の太さに比べか細い枝での新緑で木の維持ができるか不安です。今後継続して観察できればと思います。

【今後の活動予定】

  • 保護活動日 6月21日(土)、7月15日(火)
  • 時 間   10:00~12:00
  • 総 会   5月31日(土)14:00~15:30(能勢妙見山 よろずや2階)

2025年5月24日