今回の活動では、

  1. 春のシンポジウム企画
  2. ブナ等の植樹とマーキング
  3. 作業道のメンテナンス
  4. 看板設置

を行いました。

春のシンポジウムについては、追ってこちらのページでもご紹介できればと思いますが、妙見山のブナと自然について知的好奇心が満たされるような、一流の先生をお呼びしてワクワクする企画を考えておりますので楽しみにしておいて下さい。

さて、今回は前回に引き続き植樹を行いましたが、今年はとても暖かい日が続いておりますので、植物が水を吸い始める時期も早くなるかもしれませんので、その前にあるていどの植樹をすべく取り組みました。

二年生の実生苗をポットで育てているのでそれを使おうとしたのですが、山頂付近の自然に放置しておいた苗を見ると、予想以上に鹿の被害に遭って、目が摘み取られていました。

そこで急遽、山頂の実生苗を防鹿柵の内側に植え替えることにしました。

本来であれば、山から掘り出したばかりの苗は根が傷ついているため雑菌にやられやすいのでそのままで植えることはあまりしないほうがいいです。しかし背に腹は代えられず、寒いこの時期なので雑菌が少ないことを祈りつつ植え替え作業をいたしました。

ちなみに、普段であれば、一度水洗いして真砂土でしばらく育てたのち植樹をいたします。

植樹する場所も、何も考えず一列に植樹するのではなく、防鹿柵の中でも少しでもブナが育ちやすい環境の所をいくつかピックアップして集中的に植えます。

よくある植樹は等間隔に一列に並べて植えることが多いのですが、自然環境を観察して見ると、芽が出ているのは等間隔ではなく、ある程度かたまっています。ある程度かたまることで外のストレス(雪、風、食害、等)から身を守れる可能性が増えると考えられます。また、近い位置に等間隔で植えると、大きくなっていく過程で常に仲間内での競争のストレス(水や光りの奪い合い)がかかるため負担が大きくなりがちです。

現状、手元にある実生苗が少なく貴重なため、3年後・10年後・100年後の環境を想像しながら、ブナ同士の「協力」と「競争」の環境を考えながら植樹をしております。

また、幼少のブナ苗は直射日光では強すぎるので、日よけのための先行種として妙見山で採れたエドヒガン桜を一緒に植えました。先行種としてはムラサキシキブなども良いようです。

また、ブナ林への防鹿柵設置の機材搬入用作業道も継続して使用するため、メンテナンスを行いました。この作業道は山を無駄に削らないルートでかつ木の根を傷つけないように配慮されており、林内を確認するさいにも重宝しています。防鹿柵設置が終了したら埋め戻すことになっておりますが、ブナ林の継続的な確認を行ううえでもなんとかこの道を残しておけないか方法を探っていきたいと思います。

最後に、歩道の近くの防鹿柵に看板を設置いたしました。立派な看板を設置する費用はありませんが、妙見山のブナ林の素晴らしさと現状を多くのかたに知って頂きたく、簡単ではありますがラミネートした説明分を防鹿柵に掲示させて頂きました。

もし妙見山に来られる際は看板を探してみて下さい。

2016年2月20日