11月30日に、能勢妙見山ブナ守の会10周年記念事業として、会員による講演会と観察会を開催しました。10月の川西市の環境フェスタでも告示し、当会の活動を多くの方に知って頂く機会となりました。
サブテーマ、「消えゆく自然 妙見山のブナ林復活に向けて私たちはなにができるのか」として、午前は、能勢妙見山 信徒会館「星嶺」で、パネル展示を地下ホール、講演会を研修室で行いました。
ブナと妙見山のブナの説明資料をパネル展示しました。樹齢を示す三角点で倒木した幹の断面も展示しました(右から3つ目の展示)。
先月確認したシードトラップの報告と採取した実の展示も行いました(右端の展示)。沢山の種に興味を持って頂きましたが、展示の種が中身のないシイナで妙見山のブナ林の課題も共有頂きました。
能勢妙見山ブナ守の会大西会長の挨拶
会場の研修室の様子
テーマ1:「ブナを守るきっかけとこれから」 植田観肇氏(ブナ守の会事務局長)の講演
能勢妙見山の副住職でもある植田観肇さんが、当会の発足前のブナに全く興味のなかった当時、兵庫県立大学名誉教授であった服部保先生との出会いがきっかけで、自身の価値観が変わり、能勢妙見山ブナ守の会ができた経緯の説明がありました。ブナを守ることについて、当会の創生期の思いと今後についての講演をされました。
テーマ2:「日本各地のブナ林を歩いて」森井英樹氏(ブナ守の会会員)の講演
全国ブナの北限から南限まで歩かれるブナ好きの森井さんの講演は、ブナ好きになった経緯、旅行記、自然とは何か、ブナの特徴、ブナを取り巻く循環の世界など、大変興味深い勉強になる内容でした。
テーマ3:「但馬のブナと妙見山のブナ」原田健一氏(ブナ守の会会員)の講演
原田さんのライフワークとなった但馬のブナの観察記録と妙見山のブナについて報告頂きました。30年に及ぶ定点観察はフィールドワークの凄さと相当な努力されたことは伝わりました。但馬のブナも生息地する山によって樹径など分布が異なり、楽観できない山もあることが理解できました。妙見山のブナの特徴として、巨木が多いとのことで、今回のテーマ「私たちになにができるのか」について学べたと思います。
午後から、観察会を実施しました。ブナ林の入口となる、川西市の天然記念物のエリアで、ブナ林の概要、当会の取組み、今年実施しましたシートトラップの説明を行いしました。
観察会特別ゲストの神戸市森林監察官の栃本先生から、観察のポイント毎に改めて、妙見山のブナの希少性と課題を説明して頂きました。下記は、ブナの更新について、2018年9月に倒れた木の前で説明頂きました。
倒木の横を通り、大阪府の天然記念物である特別地域に向かいます。
途中、10月に倒れた巨木横の通過で参加者の皆さんが、木の大きさに驚かれていました。
特別地域の境界でヒノキの人工林との差から、過去にはここにもブナがあったことを実感して頂きました。
午前中の講演会、栃本先生の説明により、妙見山のブナの希少性と課題を共有頂いたと思います。
長時間にわたるイベントが無事に終わりました。
妙見山のブナに興味を持って頂き、一緒に活動できれば幸いです。
なお、当日の講演会の動画は下記からご覧になれます。
お時間のあるときにぜひご覧下さい。
2024年12月6日