
12月の保護活動は兵庫県川西市の天然記念物エリアに防鹿柵を設置しました。
人数が7人と少数でしたが、精鋭揃いだったので、なんとか設置することができました。久々の防鹿柵設置で、しかも斜面だったので、上に下にと移動が多く見た目以上に重労働でした。
さて、まず材料の準備です。

今回はセパレートタイプの防鹿柵になります。これは、支柱が二つに分かれているので、脚立など使わずに杭が打てることに加えて、地上部の高さが一定になるので、一本タイプのものよりもかなり施工が楽で見た目もきれいに仕上がります。
まずは、地面に打ち込む方の支柱を打っていきますが、支柱にも限りがあるので、施工しやすく凹凸が極力少ないルートを考慮しながら仮杭を打っていきます。

その後、全体が決まったところで、完全に杭を打ち込み、本番の支柱を決めていきます。

杭のルート上に倒木があったので小さく切ります。



支柱ができたらいよいよ網を張っていきます。

これが、とても難しく、いちど紐が絡まるともうどうしようもなくなるので、かなり注意が必要です。



今回使った網は地面にスカートがとってあり、シカが下から潜り込まないように、ちょっといい網を使っています。

網の下からシカが潜り込まないようにアンカーを打ち込めば完成です!


なんとか無事完成です!
今回シカ柵を設置したところは、林縁でそれなりに光がはいってくる場所ではありますが、すぐにいろんな植生が回復するところではありません。
しかし、近年シカが下層植生を食べ尽くしてしまったせいで、地面が裸地化してしまい、落ち葉などが溜まりにくくなっています。
地面に落ち葉がないと、雨が降るたびにその雨粒が直接地面を穿ち木の根が露出してきます。木の根が露出すると、木が弱り、やがて土砂崩れが起きてしまいます。
この流れを少しでも食い止めると同時に、下層植生の回復を図るのが今回のシカ柵設置の目的です。
少しでも多くの種(しゅ)が次の世代に繋がっていって欲しいと切に願います。
2025年12月20日