今月の保護活動はブナの現状把握のために毎木調査(場所、大きさ、特徴)を実施しました。

約10年ぶりの調査になります。神戸市森林官の栃本先生の指導のもと神戸大学農学部の学生さんにも協力頂き特別地域のブナに絞って、立木の幹径、高さ、GPSによる位置と特徴を記録していきました。今回はさらに、大阪公立大学で和泉葛城山のブナの研究をされている学生さんにも参加頂きました。
特別地域は、大阪府(5.7ha)と川西市(0.7ha)の天然記念物に指定されてる範囲となります。広域にわたるため3班に分けブナの調査と近年の倒木、立ち枯れ、前回の調査漏れ、ブナの様子などを観察をしました。
- 1班:三角点から特別地域北側の奥ノ院参道沿い
- 2班:特別地域中央のアカガシ広場から西側の尾根沿いの北斜面(傾斜が険しい場所)
- 3班:特別地域南側の川西市側からアカガシ広場尾根筋の南斜面

調査結果概要
各班の個体数の速報値として約170本のブナが確認できました。胸高周囲長が3mを越える木もまだまだ残っておりました。2班のエリアでは特に樹高が20mを超える多くのブナにヤドリギがあるのを確認しました。同じ大きさでもヤドリギのない個体もあり、多様な木々が確認できました。相対的に次世代を担う若い木は少なく、これは前回の調査からあまり変わっておりませんでした。この生データを元に栃本先生に調査結果の精査をお願いし、妙見山のブナ林の状況を定量的に把握できればと思います。
調査の様子
調査は広範囲に及び、傾斜のある普段立ち入らない場所も移動しました。

三角点付近の調査の様子です。大きな木は幹回りが太く測定は二人で実施しました

中には、これから大きくなる木もありました。どのくらいの割合かは今後の精査で判明すると思います。

奥ノ院参道横の調査です。この参道沿いには大きなブナが並んでおり近年倒木が進んでいます。後継となる木が少ないのが課題です。倒木にはツキヨタケと思われるキノコが生え、ゆっくりと森の木々の分解が進んでいます。



アカガシ広場の尾根筋北側に見えるブナは、普段立ち入ることはないですが近くに行くと寄ると幹回りが3mを超える木もあります。

どのような経緯でこのようになったかは不明ですが、珍しいブナがありました。

かなり弱った木のようです。幹の中はわかりませんが、今後倒れるかもしれません。

ヤドリギがたくさんついているのが伺えます。

【今後の予定】
- 保護活動日 12月20日(土)、1月20日(火)
- 時 間 10:00~12:00
- 体験、見学など下記「detail」から申し込み願います。
2025年11月20日